今年度の流行語にはならないと思いますが

 星野智幸さんがブログで大麻について書いている(http://hoshinot.exblog.jp/12981770)。期待して読んだのだけれど、大麻に関しては割とごく一般的な認識を持っているのだなと思う。星野さんは大麻をタバコやアルコールと比較して、健康面ではそれほど際立った害はないのではないかとしたうえで、けれど大麻使用は他のもっと危ない薬物へと手を伸ばすきっかけになるから(主に供給側から)という俗にいう「踏み石理論」の観点から大麻に否定的である。
 「踏み石理論」自体はそれを覆す議論があれこれあったりする(モーリー・ロバートソンさんとかが詳しいのだろうけど)。あと、星野さんは大麻やコカは元はアメリカ先住民の宗教的儀礼に使われていたことを指摘しており、それはきっと正しいのだろうけれど、それ以上に日本の宗教的儀礼にも用いられていたことは注目していいと思う(いまでも神社の鈴縄にはたいてい麻が使われていたりとか)。
 けれど、最後に、大麻を「麻薬」に変えたのはその根本に依存症が組み込まれた近代主義にあるとして「何かに依存をしないと成り立たない自由とは、一体、何なのだろう」と急に物語を広げたように締めくくっているのは面白いと思いました。
 ちなみに僕は大麻使用は完全に否定はしませんが、かといって肯定には慎重派というどっちつかずです。