シラフで書き流したらすげえ長くなってしまった

 県立神奈川近代文学館にて開催中の堀田善衛展に行ってきました。個人的なことをいうとこの堀田善衛という人については、その著作は一作たりとも読んだことが無く、はっきりいってこのチケットを人から貰うまで名前すら聞いたことが無かったといっても過言ではないくらい(いや、ていうか実際そうだったと思う)完全に無知でして、今日わざわざ駅から数十分も山下公園なんかをひとりで歩いて訪ねてみたのもただ単に「天気が良かったから」という理由によるものなのです。で、ウィキでざっと略歴をさらった程度の知識量で観覧した感想ですが、まず堀田氏が20代後半で上海にて終戦を迎えたころに記された数々の提言に大変に関心が湧きました。軍隊としてではなく外地で終戦を迎えたという状況が後の彼の積極的な海外への関心の原点の一つみたいな見せ方をしていたように感じましたが、なるほど、終戦直後の堀田氏のある意味非常に「前衛的」な態度は僕から見てもとっても特異なものとして興味を惹くものでした。その後の生涯(というかこっちの方がメインなんだけど)も面白いなとは思いましたが、どうも自分にとってはこの神奈川近代文学館は先細りになっていく相性があるらしく(澁澤龍彦展のときもそうでしたが)なんとなく最初の方に強い印象がいってしまい、特に晩年はほとんど関心を惹かれませんでした。ま、全然情報のない人だったからその見え方はある意味普通なのかもしれませんが。
 で、その企画展、そのタイトルに「堀田善衛展 スタジオジブリが描く乱世。」とあって、「え、ジブリ?」だったのですが、ようするに二部構成になっていて第二部でスタジオジブリ(というか宮崎吾郎?)の次回作の宮崎吾郎いわく「準備の準備」段階の構想が驚きの枚数の絵コンテ(っていうのかな?)でババァーン!って貼ってあって、ぼくはあんまジブリとかアニメに詳しくないからあれだけど、実はジブリファンの人たちこそこの企画展に来るべきなんじゃないの、って感じがしました。第一部の堀田との対比って意味でもすごく面白い展覧だと思うし、なによりあの後にジブリの画がバンッて来ちゃったらあれはスゴイよ。ってな感じでした。(イイカゲンに終了。)