「文学賞」ではなくあくまでも「大賞」

 書店員らしく本屋大賞の話題でも。といいながら実は今日本屋大賞が発表された事を福岡在住の知人からメールをもらってやっと知ったのですが(笑)。大賞の『一瞬の風になれ』ってあれでしょ、あの3冊揃って出てるやつ。そりゃ「一番売りたい本」となれば3冊のものなら計算上で売上げが3倍になるわけだから(こんな単純なこと言っていいのかはともかく)その作品が選ばれるだろうけども。けれど、そんな邪推の外で、一年半くらい本屋に勤務してみた実感として、本屋やってる人、ましてや本屋大賞に選考員として応募するような人は間違いなくハンパない読書好きであると。こないだ仕事帰りに駅のホーム降りたら同僚の後ろ姿に出会ったんだけど、駅の階段下りながら本読んでたし(笑)。だから本屋大賞ってものあながち馬鹿にできたものではないと(もちろんミーハーの人も多いだろうけどね)。僕が唯一作品を読んだ事のある森見登美彦氏は僅差で2位。これでまた売れっ子になるんだろうなあ。好きだけどニクイ。で、たまたま今日は僕も本を購入しました。勤務先の最寄のブックオフで(笑)。筒井康隆の『虚航船団』単行本と岩波文庫の『カフカ短編集』。どちらも105円。われながらもう少し「時流」というものを気にしてみてもいいかもしれません。