「隣家は空に 舞ひ去つてゐた!」

 鎌倉文学館にて中原中也展、再訪。天候が優れなかったせいか前に来たときよりもだいぶ空いていました。ということで今回は前回以上にじっくりと観覧しました。展示物の所蔵元だとかレプリカか否かを確認したりだとか、あと原稿用紙に記された文字を一文字一文字読んだりとか。やっぱり山口にある「中原中也記念館」所蔵の物が多いのですね。行きたいっ、けど行けないっ、遠すぎるっ。そして、前回最も心に響いただけに今回最ももう一度見ておきたかった病床の中也が母に送った手紙の原稿はというと、なんと、展示物が変わってる!? ぼくの記憶にあるのは三十七八歳になったらまた文壇に顔を出しますみたいな原稿だったんだけど、違う・・・。今日展示されていたのはやはり同時期に書かれたもので30円送れってので、けどこれはこれで感動的だったんでまあいいや。前回スルーしたビデオ上映も今回は観て、館内を出たらすでに陽が傾いていました。帰り際に不意にものすごく繊細な声の女性から声をかけられて、その吃驚を心地好くひきずったまま鎌倉駅まで歩いて帰りましたとさ。