酒、落語

 度々の引用になりますが、山口瞳が、言いたい事があって飲む酒は嫌いである、酔わなければ言えないような事は言わない方がよい、みたいなことを書いていました。これを読んでぼくはなんとも真っ当なことであるよなあと思ったわけです。こういうことをいうのもなんだけれど「年のせいだか」どうにも人と酒を飲んだ翌日のあの自身の言動への後悔といったら、若いころには翌日には単に体調の不調程度で精神的には感じる気配すらなかったような、今となっては下手したらその痛恨を一日引き摺ってしまうような。でもって、明日また人と飲む予定があり、今から明後日の朝の頭を抱えて駆け出してしまいたくなる、思わずああっと声をあげたくなる、そんな悔恨に戦々恐々しているのであります。
 これまでなんとなくクセが強いような気がして聞かなかった談志の高座を聞いています。やっぱりといったら大変にどうも、いや、やっぱりうまい。酒と落語(家)の関連を描いたものを読んでみたいです。