「どうしてそれが、捨てられようか?」

 台風一過。早朝からサニーデイ・サービスを聴きたくなるほどの雲ひとつない快晴だったので一人で鎌倉散策に出掛けてみました。といっても目的はひとつ、以前にどういうわけか職場の休憩室にて入場券が無料配布されていた鎌倉文学館にて開催中の中原中也展に臨もうというわけです。で、いきなり感想を。たいへんに感銘を受けました。特に最後のブースにあった療養中の中也が母に宛てて送った手紙の筆致には軽く身が震えるほど感動してしまい、しばらくその場を動けませんでした。周りの客はだいたいが連れを伴ったなんとなく入ってみた人って感じで(意外と若いカップルいたし)、しかしこういう自分の興味がある展示ってのは一人で来るに限りますね。連れがいたらやっぱり自分のペースで観て歩けないし「これって○○だね〜」だの「すごいね〜」だのと思ってもいない感想をつい口に出さざるを得なかったり。今回は持参した無料券を使わずに済んだので、是非もう一度(今度は平日に)行ってみたいと思います。帰りにせっかく鎌倉に来たんだからと長谷寺高徳院まで足を伸ばしたものの、どちらも入館料(入山料)を払わねばならぬとわかり、腹が立って中には入らずにずんずん歩いて帰りました。すれ違う人がみなソフトクリームか無闇に大きな醤油煎餅を食べていました。