故郷

 バイトを休んで、前に住んでた街に行ってきました。その地域の公民館でクリスマス会なる催しがあるというので、数ヶ月振りでひょいと顔を出してみる感じで。
 で、話は飛ぶけど、僕という人間は大学を五年間もやって、その五年目にしてこの公民館関係者と知り合ったわけですが、たぶん、その五年目がなければ僕があの街をこれほど愛することはなかったし、たぶん二度と足を向けようと思わなかったかもとすら感じます。それくらい僕にとっては大袈裟に言えば人生を変えるくらい大きな出会いだったように思うのです。
 きっと人を選ぶ話なんでしょうが、今日のクリスマス会も参加者の半数くらいがなんらかのオツムの障害を持っているいわゆるキ○ガイでして、でも、そんな中にいて何で自分はこんなに居心地の良さを感じているのだろうと思いました。打ち上げってって一緒に酒のんだり。
 ひょっとしたら酔っ払っているのかもしれません。けど、別れ際に冗談半分で「いつまたこっちに越してくるの?」なんてみんなに言われてしまった僕は、きっと幸せな人間なんだろうなと思いました。「大学通り」なんていう因果な名前を付けられた通りに立ち並ぶ巨大なツリーは今年もチレイでした。