雨の休日、辛うじて読書

 昨晩社員さんと飲んだおかげで二日酔い。頭痛。雨。もう今日は寝て過ごそうと決めてみるも、二日酔いでない休日もやはりたいしたことしてないのだから弱ったもの。
 たっぷり午睡を貪って最寄の郵便局が閉まらないうちに夕食を買出しにでたあと、さわりだけ読んであった朝吹真理子『流跡』を読み進める。そのまま読了。いやあ、やばい。店頭でぱらぱらっとめくっただけでも目に入ってくる活字のやばさは際立っていたけれど、それにも比して内容がやばい。読み終えたあと数分間、この小説を表すべき自分自身の言葉が浮かんでこない。ひとまずドゥマゴ文学賞の選考委員である堀江敏幸氏の「不穏」という言葉が的確なように思う。これを読んでやばいと思える人は実はそんなに多くないのかもしれない。けれど、これこの感覚こそ「いま」の小説だと思ったし、その意味で逆に汎時代的ですらあるのかもしれないけれども、こんなにもいまの自分の「ほんとうに読みたいもの」が目の前に現れたということがすごい。とりあえず朝吹さん芥川賞とるべき。……と思ってたまたま見たツイッターのpostからこの作家が朝吹亮二氏の娘であることを知り、あまりの自分の中での一致っぷりにものすごい衝撃。これは『まばゆいばかりの』も買わねば。