ゲリラ雨(今年度流行語大賞候補)

 さあて明日は休みだから今のうちにほんとはいけないんだけどゴミでも出そうかなと思って六畳間の襖を開けた瞬間、アパートを包む轟音。なんの前触れも無く突然の豪雨となり、こりゃあすげえと慌ててゴミ袋を提げて外に飛び出したところ、アパートの前の坂道をすでに濁流が流れていました。見る間にコンクリートを流れる水量は増し、国道一号は一面叩きつけられる雨で曇り、なんとも幻想的な光景に。大袈裟でなく人生の中でこれほどの突然の大雨は始めてかもしれません。傘をさしたまましばらく表に立ってこの光景を眺めていましたが、自分以外の人には一人も出会いませんでした。轟音の瞬間、向かいのアパートのカーテンが3部屋分くらい開いて外の様子を確認している人がいたけれども、こんな異常気象になぜ外に出ない? 普通、すげえ雨!とかいって出てくるでしょ。「日本が北東アジアから東南アジアまで移動したのかと」とは数日前の菊地成孔氏の言葉ですが、異常気象はほんと人の心にずかずかと入りこんできて、その人生までも思いもよらぬ方向に変えてくれるような魅力に満ちております。