たまには読書感想

若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か

若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か

 たまに読んだりやめたりの積読状態で読み終わるまでだいぶかかったけど、結論としてとても「良い本」だと思いました。中身の議論についてはところどころそれだけでは首肯しかねる部分やどうも矛盾感が拭えない部分などあったけれど、この一冊はそれ自体が議論の的となるべきテキストというよりは、本人の言葉を借りれば「煽動」の書だと思います。オールニートニッポンの鼎談もウチでライヴで聴いてたんだけれど、その時に著者が「たいした学問も受けてなくて、知識もなく、書き物にしてもズブの素人のような自分がそれでも文章を書かなければならない現状が問題なのだ」みたいなことを言ってて、そこに単なる負け惜しみ以上の迫力を感じたものですが、そうした意味でもこの一冊の意義は大きいかと。なにより著者と同様の状況にある若者に純粋に勇気を与える本だと思います。あと良い意味で攻撃の照準をぶらせる効果もあるかと思います。こんな人が今の日本にいるということよりもむしろ、彼がいまだフリーターであり続けることが日本にとっての幸福なのだといってしまえばあまりにも皮肉な冗談ですが。かくいう自分もフリーターなのだから。小生一応去年と比べて貯金が10万円くらい増えまして(臨時収入に恵まれた一年でした)、おかげでたまにガリガリ君を買うくらいの余裕は出来ました。