夢の話

 昼寝をしていて夢を見る。なにか経緯があった気がするけど忘れてしまったが、実家の居間でテレビを見ている。家族6人。その番組の内容が、なにか別のコンテストで失態を犯し、成績も振るわない力士だけれど、大声コンテストで周囲の度肝を抜くような活躍をみせた人物のドキュメンタリーもの。その大声コンテストというものが全然大声ではなく会場に登場した瞬間からあたかもロックスターがステージに入場したかの雰囲気。そして、演奏(なぜかすでに演奏になっている)が開始する直前にテロップで非常に大きな音が流れることへの警告が表示される。思わずヘッドフォンのボリュームを下げようとするが(またしてもなぜかヘッドフォンをすでに着用している)逆に音量を上げてしまった場合を想像すると恐ろしく、ヘッドフォンをはずす。と、ものすごい轟音。ヘビメタのギターノイズみたいな感じなのだけれど、とにかくまず体が後方へもっていかれる。さらに耳そのものがハウリングし始める。あまりの爆音に喉の奥にまでジリジリと痛みが発生する。映像ではこの爆音のおかげでそのコンテストを行った村全体に多大な影響が生まれ、落ちている果実や、家の正面になにかをばんばん投げつけている若者たち(後のクローズアップでそれはカボチャであることが判明)の様子が映し出される。内心、共に部屋で聞いている祖母の体がとても心配になるが、ちらと見るとたいした変化はなさそう。それからその力士のインタビューになり、これからもあと3回くらいはこうした爆音をやっていきたいと語っている、と、そこで目が覚める。おそらく今まで生きてきてここまで大きな音は聞いたことがなかっただろう。(何年か前に観た灰野敬二の演奏ですら及ばないほどに!)しかも、それが夢だとは。全身に残る衝撃は覚醒後もしばらく続いていて、そのせいか今日は休日だったのに全くそんな気はしなかった。あらためて、夢であんな全身に及ぶ体験が出来るとはほんとに新しい発見だった。