復活後の風貌も含めて

Niandra Lades & Usually Just a T-Shirt

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単に「優れた」というよりは個人的に「くる」ギタリストといったらまあLoren MazzaCane Connorsとかいるわけですが、実は僕はこのジョン・フルシアンテという現在レッド・ホット・チリ・ペッパーズでギターを弾いている人がたいへんに好きでして(レッチリ自体も好きだけどそれほどでもない)、彼が一時バンドを離れてドラッグでぼろぼろになってた時期に作られたっていうこのアルバムも今年買った数少ないアルバムなのですが、いかんせん全25曲トータル70分以上というボリューム(しかもほぼジョン一人によるギターの多重録音)ゆえこれまで全部通して聴いたことはなく、たいてい夜寝る前にかけておくんで憶えているのはせいぜい最初の5曲ほどって具合だったのですが、今日あらためて聴いてみるにやっぱりこれ凄いじゃないですか。殊に最後の方の即興的アンサンブルの美しさったら、ギターが大好きで、6本の弦が弾き出す音に無上の喜びを得ていた少年が過重のストレスから精神的を病み、ヘロインによる狂気を通過してあたかも彼岸的な正気にまで到達してしまったかのような音。今は健康にバンドやってるけど、こういう当人も望まないような危うさによって作られた奇跡的な作品ってのも音楽の醍醐味ですね。