書店員なのに新作はほぼ読まない

 先日ブックオフで購入した田山花袋集。ユリイカ奥泉光が「笑って読んでいい」と語っていた『蒲団』を読む。数年前に読んだきりだけれど武者小路実篤とかぶるものがある。『蒲団』が明治40年、『お目出たき人』が明治44年か。そして、数世代を隔てたところに森見登美彦がポワリと浮かんでいるような気がする(個人的に森見氏にはもう少し不幸になってほしいと思っていますが)。で、久しぶりにひっぱりだしてきた『お目出たき人』の文庫本には山本健吉の解説として「武者小路氏をはじめ「白樺」の作家たちにとって(中略)もっとも憎悪したのは、自然主義派の統領と目された田山花袋であった」とあって、あらら? ぼくの読みも相当いいかげんであることです。