「人間は幸運から逃れられない」

 歳末だからか知らんけどオートマチック現金預け払いマシーンの前に出来たすげえ長い行列に並んで僅かな給料を引き出したり、それをまた長い行列に並んで大家さんの口座に家賃として振り込んだり、更に並んで僅かな給料の更に一部を別の口座に預けたりする。でもって、うっかり「行く」と言ってしまった勤務先の飲み会が実はプレゼント交換有りのそういう会らしく、実に不本意ながらも2000円相当のプレゼントを選びに本屋に行って結局梅佳代の写真集にしようと思ったけれど手にとって開いているうちに自分が笑ってしまいそのまま閉じて買わずに帰る。
 で、腑抜けた気分で布団に寝ころんでいると、先日原稿を送った出版社から電話があり、次号への掲載の旨と「〇〇さんらしい文章で」という言葉を頂く。あらゆる褒め言葉の中でも一番嬉しい。学生時代に関わっていたサークルであるピアニストにむけて文章を書いたら、本人から「いわれなくても誰が書いたかわかる」と(若干眉間に皺を寄せながら)言われたけれど、実はそれが一番嬉しかったりする。自意識とはほんとおとろしいものです。