戸塚

 この街はとにかく祭りが好きらしくて、一昨日は駅のロータリーで「ナンタラ商店街」と書かれたテントを張って焼きそば200円だの金魚すくい50円だのと明らかに的屋商売とは違う価格の出店が出ていて、その先に櫓が組んであって太鼓の生音で盆踊りをやっていましたが、と思ったら今日は今日で、この近辺に幾つかある神社で揃って祭りを開催していました。でも、今日のはそこいらの祭りとは違って、神社への祈願と盆踊り中心の、いわば本来の意味での「祀り」的な祭りでもって、通常の若い女の子の浴衣姿に代わって、地元のおばちゃん連中が揃って浴衣を着てくるようなそんな祭りでした。
 住めば都という言葉があります。前に住んでいた国立というところは確かに「いい町」でした。だけれどもねぇ。
 昨日、たまたま大学時代の友人たちと会ったのですが、みんな「いい仕事」をしているようでした。だけれどもそれは一般的な尺度においての「いい仕事」つまり給料がいいとか社会的評価が高いとか。でもそれが自分にとっていい仕事であるかと言ったらそんなことはなくて、なんだかとてもじゃないけれど自分にはそういうの出来そうもない感じでした。
 でもって国立も「いい町」としてはそうなのかもしれないけれども、なんだか新規住民のハイソ感とか作られたオサレ感とか選民意識とか、学生街なんで人がじゃんじゃん入れ替わる感じとか、そういうのがどうもダメでした。最後の一年は地元の公民館関係者と関係を持ったのもそんな気持ちからなのかも。
 そうしてみると今住んでいる街。盆踊りと子連れヤンキーとババシャツ婆さんと、街のイメージが自分と合ってるというか。ある意味での「敗北感」が街の魅力なのだと勝手に思っています。
 昨日「お前これからどうすんの?」と聞かれて、ただ正直に「分かんない」と答えていたように思います。どうにもならずに相変わらずこんな文章書いてる毎日。