祖母の夢

 実家でテレビを観ている。しかも建て直す前の実家。親戚のKおばちゃんやUちゃんもいる。観ているのはロードショーのバットマン(KおばちゃんUちゃんビデオ録画に奔走)。全然知らない妙に凄惨なシーン(車ごと機関銃で砲撃に遭い、仲間の女性(キャットウーマン?)の四肢が吹き飛ばされ、いったんは血まみれになるも四肢をメカ化してバイクにまたがって敵を追う。敵は凧になって空に舞っている)の多い映画。かなり良いシーンのところで次兄とともに祖母に呼ばれる。行ってみると死期を知った祖母が遺産整理をしている。みな祖母の死期が迫っていることを了解しているので不思議に思わない。押入れの奥に仕舞った電気毛布を持ち上げられないので二人で持ち上げて外に出して欲しいとのこと。祖母、いなくなる。すると長兄が自分に「○○は眠くないかや?」と訊く。自分はいま眠ってしまったらもう祖母としっかり話すことは出来ないと分かっているので眠くないと答える。が、長兄「○○はもう寝たほうが良いんじゃねえか」と勧める。自分、もう祖母と話すことの失くなってしまうことを考えて思わず涙がこみ上げる。言葉に詰まる。それを見た長兄も涙がこみ上げている様子。とても悲しい。周りから、特に従姉妹のUちゃんから「婆ちゃんの部屋でなに泣いてるだい」とたしなめられる。けれどとても悲しい。ひょっこりと祖母、昔の写真を手に現れる。一緒に懐かしの写真を観る。テレビは別の番組(水中での長大な魚と海老との競争)になり、そちらに気を取られているうちに目が覚める。祖母が昨年末亡くなってから、こんなに悲しい思いをしたのは今日の夢が初めてだった。
 口の端が荒れて切れたようになって大きく開けると痛む。口角炎らしい。ストレスといって思い浮かぶのは、昨日の治験関連か、書きかけの創作か、それとも今日突然知らされた職場でのHさんのフロア移動と自分の公休日変更か。帰宅してから松田青子『スタッキング可能』表題作の他も読み終える。とても面白い。夜、アニメはほとんど観ないがそこそこ飲む。