風邪気味

 モグラに姿を変えた次兄がどういう理由か土中へと潜り、彼の身を守るためにブチネコやモグラ食い人間を必死で追い返す。土下座も辞さない。そうして、大小群れ集ったイタチの集団を掻き分け、表に体が見えたところを危機一髪救い出した実兄のモグラともう一匹の色の薄いモグラを両手に抱えて走り出した、その瞬間に目が覚める。悪夢というほどの汗はかいていなかったが、なんという夢だろうか。
 そして、布団の中でふと気がつくと喉が痛い。すわ風邪か。昨日、あの人ごみの中を寒風に吹かれながら参拝したのがまずかったか。いや、参拝がまずいなどということがあろうはずがない。期限の2年ほど切れたイソジンでうがい。出勤。したらNから休むとの電話。まあ、しょうがない。さらに、6年勤めていて初の始末書を書く羽目に。正直、初めての始末書とやらに心がうきうきと浮き足立ってしまう。実際に出来上がったものは、ううむ、まあこんなもんか。提出した後に気がついたが、始末書とやらにも一応の定型的な書式みたいなものがあったやもしれず、ずいぶんとフリースタイルに書いてしまったものだ。まあ、上司が良い感じに受け取っていたからいいんだけど。あ、理由はたんなる凡ミスです。っていう反省の無さが問題なのだろうことは百年前から承知している。
 まだ喉が痛い。けれど、今夜はこれから少しだけでも文章を書こうと思っている。