初ファミレス

 昼食の調理パン(甘口)を食べてから学生時代に使っていたバッグを押入れより引っぱり出してポメラと昨日買った料理本を詰め込み近所のファミレスへ。ファミレスでの執筆に取り掛かる。というか一人でファミレスに入ることそのものが初めてかもしれない。ドリンクバーを注文し、場に慣れるまでは雑誌なんかを読んだりしつつ(そうか、平日昼間で静かかと思いきや今はもう春休みに突入している学校もあったりするのか。いや、若い女子グループのうちの何人かは制服を着てたな。サボっているのか。それとも私服の子もいたってことは……? わからん)、ポメラを取り出して書く。ホットの紅茶をたしか5杯、トイレに立つこと3回。書いたり読んだりで2時前から約4時間。6時を過ぎると急に店内が混み始め(飲食店のランチタイムかと思うほどの急激な混み具合)、ドリンクバーしか頼んでいない後ろめたさもあり退散。初日としてはまあまあ書けた方かと。これは良い感じだ。
 布団の中で職場の先輩から貰った立川談笑を聞く。粗忽長屋(粗忽たちの長屋)と居残り佐平次。巧いかどうかはわからないけど面白い。そこに自覚的なのがまた良い。メタ落語。もう少しあれこれ聞いてみたい。
 夕食後、DVD。友人から名前だけは聞いていたコーエン兄弟の「ノーカントリー」。その友人は詰まらないと言っていた気がするが(別の先輩はずうっと前に最高だと言っていた記憶もある)、個人的な感想は、これは最高だ。素晴らしいじゃないか。偶然に大金を手に入れた男が逃げ、それを殺し屋が追う。で、結局追われるものが孤軍奮闘の甲斐なく殺される。物語に特に意味はない。劇中に音楽はほとんど無く、とってつけたような台詞、はいはいとりあえず入れました的な綺麗な映像。物語、音楽、メッセージ、映像などなど無駄なものは削り落とされ、後に残るのは単に「映画」のみである。素晴らしい。荒野の美しさが際立つ、初ファミレスの今日だけに、こんなものが作りたいと思わせる1本でした。