サイファー@代々木公園

 運良く公休日だったので二度目のサイファー参加。前回参加した時(第三回くらいだったのかなあ)は仕事終わりで遅れて行ったこともありやや不完全消化だったのですが、いやあ、今回はすごかった。ほんとに良かった。なんだかねえ、ライヴの興奮を別の音楽で示したり、美味いもの食べた感動をを別の料理で表したりするのが困難なように、言葉による感動を言葉で表現するのって難しいのよね。ていうか、少し落ちつけばできるのかもしれないけど、いまはまだ余韻が残っているんでどうにも。申し訳ないが予選には間に合わなかったんだけれど、それぞれのジャンル(口語自由詩・小説・短歌・俳句)による四者会談は短いながらもとても印象に残りました。奇しくもそれぞれのキャラがそのジャンルを表現してしまう(特に?柳さん)ような部分もあり(にしても朝吹さんは美麗でした)、そこがまた興味深いところでした。そして、そのあとの決勝(?)。まさに錚々たるそれぞれに色のあるメンツによる言葉の合戦は素晴らしかった。言い出したら長くなるしとりとめもなくなるので逐一いまは記しませんが、特に谷川俊太郎さん。いままでそんなに興味ないようなフリしててごめん。やっぱ神だわ。後半警備員さんの闖入によってマイクがなくなり、そのおかげで最後の谷川さんを佐藤さんの「もっと寄ってください」的な一言でぎゅうっと参加者が囲むかたちで朗読を受け取るというまさに奇跡も起き、これはもうなんだろうかと。こんなんでこんなに感動してしまったら、俺はあとどうやって詩人としてやっていけばいいのだろうか? 感動を演出したくて詩人を自覚したわけではない自分にとって、大きな問題を投げかけるイベントでもあり、けれど、それはそれとして本当に良いイベントでした。なによりこの凍えるような季節の夜の八時過ぎのあんなだだっぴろい広場にただ言葉を求めてあれだけの人が集まるということ、みんな震えながら立ちっぱなしでそれでも妙に暖かくて、そんな奇矯な行為・人たちの存在そのものに大きな勇気を得ることができました。この密室から自分も活動を続けていきます。