数年振りに青い格子のハンカチをポッケに

 短編集であるにもかかわらず基本的に通勤途中の車内かバイトの休憩中にしか読まないのでずいぶん長いことかかってしまった田中慎弥『切れた鎖』(新潮文庫)読了。いやあ、とても良かった。まず初めに川端賞受賞作の「蛹」から読んだ時点では若干「ん?」な感じだったのだけれど、巻頭の「不意の償い」そして最後の表題作を読んで、これは面白いと思った。ひょっとしたらかなり単純な感想なのかもしれないけれど、すごく感じ入ってしまった。こんな小説を読みたいし書きたいと思わせる作品に出会ったような気がする。別のも読んでみようと思う。
 がしかし、帰りがけに次に選んだのが筒井康隆の『バブリング創世記』(徳間文庫)。すでに品切重版未定の一冊のようだけれど、ブックオフでは余裕の105円。冒頭の表題作は電車の中では笑いをこらえることができなくて2ページ以降読めず。あらためてツツイさん、すごいわ。