ゴキブリ

現アパートに引っ越してきて一ヶ月余り、ついに出た、目算だけど体長5センチはあろう巨大なゴキブリが。前のアパートでは五年間で一度も出たことなかったんで不意をつかれたというかその瞬間必要以上にびびってしまい、まるめた求人情報誌キンチョールの両手持ちで戦いに挑む。結局シンク下の端っこに追い詰めたやつにキンチョールをこれでもかと吹きつけ、有効成分が効いたと見え羽根を不器用にばたつかせるところを更に毒霧で追い討ち。勝負あった。はずなのだけれど、うっかりしてたというかびびり過ぎてたというか、あれ? 倒したはずの奴の屍骸が見当たらない。最後の力を振り絞ってどこぞの裏にでも隠れたかな、しかしおかしいなあ、あらら? で、結局見つからずじまい。まああれだけのダメージを負わせておいたらもう生きてはおるまい、と思ってみるが、その屍骸がある日ひょっこり出てきたら再び吃驚仰天するんだろうな。死んでなお脅威の存在であり続ける。敵ながら天晴れ。猛暑。